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抽象画がわかるようになる!? 抽象画鑑賞入門

CONTENTS: ピカソなんか分からなくてもよい   分かる」のではなく、形や色彩から何かを「感じる」
        クレーやミロの半具象画から見えてくるもの

 
 抽象画と聞けば、10人中9人は「分からない絵」と答えるでしょう。ミレー、ルノアール、ゴッホなどの西洋絵画になじんでいる方でも、ピカソブラック、カンディンスキーなどの作品は苦手としているようです。そこで、このページでは「抽象画が分からない」という方でもほんの少し楽しめるようになる、「抽象画鑑賞入門・ミニ講座」を開講することにしました。

ピカソなんか
分からなくてもよい


 さて、「わけのわからない絵」といえば、ほとんどの方がピカソを連想するでしょう。しかし、そのピカソも「青の時代」には写実的な分かりやすい絵を描いていました。転機となったのはアフリカの芸術に触発されたことですが、その背景には「自然を円筒形と球形と円錐形によって扱うこと」を唱えたセザンヌの存在がありました。

 ピカソは、対象を様々な角度から見て一つの絵の中に表現する手法を採り入れましたが、やがて対象は分解を重ねて再構成され、「キュービズム(立体派)」と言われる抽象画に発展しました。キュービズムではブラックがその手法を徹底させた作品を数多く残しましたが、元祖ピカソの作品はその後も昆虫のように変態を繰り返し、晩年は子どもの絵のような天真爛漫な具象画を描くようになりました。

 抽象画の代名詞となった大天才ピカソを「分かろう」とする限り、ほとんどの方は抽象画の世界に入ってゆけないでしょう。抽象画にはピカソと全く異なる世界があり、ピカソが分からなくても楽しめるのです。

「分かる」のではなく、形や色彩から何かを「感じる」


 なぜ抽象画が分からないかというと、それは分かろうとするからです。あなたは空に浮かぶ雲を見て美しいと感じ、感動したことがあると思います。でも、雲の形の意味を考えたことはないでしょう。意味がないからです。大胆に言えば、抽象画もあの雲と同じようなものです。

 この絵に描かれているものは一体何だろう?
 作者は何が言いたいのか?
 タイトルの意味が分からない…

 抽象画にとってこんなことは取るに足らないことで、タイトルなどは他の作品と区別するためにあるようなものです(注:意味のある場合もありますが…)。それよりも、線や形や色彩などから何かを感じてください。夕焼けやクモの巣や、砂丘に続く足跡などを眺めるのと同じように、意味を求めずひたすら造形の複雑な美しさに目をみはってください。

クレーやミロの半具象画から見えてくるもの


 結論が遅くなりましたが、抽象画鑑賞の入門として本サイトは、半具象画(半抽象画)をおすすめします。具体的にはクレーとミロです。

 クレーは、美術史上は「ドイツ表現主義」と言われるグループに属しますが、「抽象派」と言われるカンディンスキーらとともに「青騎士グループ」を結成し、独自の世界を生み出しました。クレーをクレーたらしめているのは、何と言っても鮮やかな色彩です。建物や庭、人物、鳥、魚、月、海底、風船などのモチーフが抽象化され、あるいは記号化されて、色彩豊かに再構成されている画面を眺めていると、機知に富んだおとぎの国に旅立ったような気分になります。なお、クレーはデザイン運動で有名な「バウハウス」で教鞭を執り、造形や色彩の講義をしていました。
  参考:クレーの絵画(Google)

 もう一人のミロは20世紀のスペインの画家で、ダリでおなじみのシュルレアリズム(超現実派)のグループに入っていましたが、作風は全く異なります。他のシュルレアリストが古典的な写実技法で描いていたのに対し、ミロの作風は描かれたもの形が激しくデフォルメされて、時には記号のように単純化され、原色を基調とした激しい色使いによって、生命感にあふれています。
  参考:ジョアン・ミロの絵画(Google)

 
 半具象から限りなく抽象画に近い絵まで、鮮やかな色彩を駆使して描くという点で、ミロとクレーは異なる美術の潮流にありながら実に似ています。作風の違いは、スペイン人のミロが情熱的であるのに対して、ドイツを拠点に活動していたスイス人のクレーが、やや理知的であるということでしょうか。ミロは詩的(あるいは童画的)、クレーはデザイン的、と言い換えてもよいでしょう。

 クレーやミロの作品の中から、2、3点気に入った作品が見つかれば、もうあなたは抽象画の世界に一歩足を踏み入れたことになります。その先には、まばゆいばかりの多様な抽象絵画の世界が待っています。


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