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公園のオアシス―池と水鳥、鯉、亀‥

 
 公園には水がよく似合う。レジャー施設としての公園には、華やかな噴水やライティングによる演出が、そして健康づくりや安らぎのための公園には、元の自然を生かした池や人工的な庭園の池がある。

 若い頃は芸術的ともいえる人工的な水の庭園が好きだったが、還暦をとうに過ぎた今、自然の地形をそのまま生かした素朴な池に安らぎを感じるようになった。高校を卒業するまで田舎に暮らしていたせいかもしれない。

 健康が目的でも、写真が目的でもない。横着者の気まぐれ散歩が行く先は、なぜか水辺のある公園が多い。とりあえず、コンデジをポケットに入れて歩き、たまたま撮りたいものが目についたら、足を止めてカメラに収める。その中から水鳥などの生き物が入った写真を選んでみた。
「水鳥の池」―水辺の郷公園
水辺の郷公園の水鳥

 水辺の郷公園は、昭和の森にほぼ隣接する湿地帯である。中心部に一風変わったモニュメントを配し、無理やり「公園」として整備した感があり、地元の住人ですらあまり関心がない。時おりアスリートらしきランナーが公園に沿った小道を駆け抜けるが、ふだんは閑散としており、稀にカメラマニアが車で訪れるのが目を引くほどである。実をいうと、写真の調整池も普段はそう美しいものではないが、季節と時間帯によっては光が目を楽しませてくれることもある。その日は運よく水鳥が10羽ほどいて、波紋を作ってくれた。


「オオハクチョウと睡蓮の池」
オオハクチョウと睡蓮
 下夕田池と書いて「しもんたいけ」と読む。昭和の森の中心から外れた窪地に位置する関係から、遠方の人はわざわざ訪れない。しかし、地元の人にとっては昭和の森の魅力の一つで、ウォーキングや散歩を日課としている人は頻繁に訪れるそうだ。目玉は何といっても写真の睡蓮で、そこにオオハクチョウとアヒルのつがい、数種類のカモの仲間や色とりどりの鯉が加わって心を和ませる。写真は、カメラを向けながらオオハクチョウのつがいに近づく私に対して、オスが威嚇しようとして羽を大きく広げた瞬間である。
「仲良しオオハクチョウ」―羽毛の手入れ

オオハクチョウのつがい

 オオハクチョウのつがいは、水面を優雅に滑るときも、エサをとるときも、土手に上がって散歩する時も、毛づくろいをするときも、いつも一緒に同じ行動をとる。しかも、姿勢まで同じタイミングで同じ形になるのだ。そのため、時にはこんなに不思議な造形ができ上がることもある。仲睦まじいカップルだったが、2年後のある日、いつの間にかオオハクチョウは一人ぼっちになっていた。時折、静かな水面から悲しげな、甲高い鳴き声が聞こえた。


「オオヨシガモの夫婦」

オオヨシガモ

 図鑑で調べたら、オオヨシガモというらしい。この池にはさまざまな種類の水鳥がいるが、カモの仲間が多い。しかし、年が変わると慣れ親しんだ色・模様の鳥がいなくなり、その代わり新顔が現れることもある。水鳥は数羽から十数羽で水面を泳ぎ回るが、仲間と少し離れてペアで行動する者もいる。人がいないと見るや岸に上がり、足を休ませる。鳥類は一夫一婦制で、生涯パートナーを変えないという。子育ても共同作業だ。オスたちの必死の求愛と、メスの厳しい審査を経て結ばれるからだろうか。
「鯉のすれ違い」

鯉

 池を覆う睡蓮の葉のすき間を縫って、色とりどりの鯉たちが回遊している。左手から寄り添うように泳いできた2匹の白い鯉に向かって、金色の鯉が真っすぐ泳いできた。「さあ、どちらが進路を変えるか?」と思っていると、白い2匹がほんの少し間隔を開けた。その間を何ごともなかったように直進する金色鯉。必要最小限度の労力で衝突を回避する鯉の立ち居振る舞いは見事だった。渋谷のスクランブル交差点を初めて見る外国人のような気持ちで、しばし鯉の優雅な泳ぎに見とれた。
「つながる亀」―甲羅干しの理由
亀の甲羅干し

 池の真ん中に竹製の筏(いかだ)のようなものがある。いつもは池に集まる水鳥たちがよく休んでいるのだが、この日は見かけたことのない亀たちが筏を占領している。左から体の大きい順に4匹が連なり、よく見ると先頭の亀の手前に小さいやつがもう一匹、尻尾をこちらに向けている。亀たちはこのままの姿勢で彫刻のように動かない。甲羅干しは人間の日光浴と同じで、甲羅の成長に必要なカルシウムの吸収を助けるのだとか…。正しい栄養学を教わらなくても、亀はそれを実践しているのだ。

  樹木と花―コンデジ散歩

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